トップ >クンゼア モノグラフ
 


 

クンゼア

Kunzea ambigua

クンゼアはアロマセラピー界に比較的最近登場したエッセンシャルオイルです。多くのアロマセラピスト達がすぐにこのオイルの素晴らしさに気づき、すでにアロマセラピーに活用しています。ロビー・ゼックはクンゼアの治癒的な作用を次のようにまとめています。 

身体が疲労でガチガチになっているとき、筋肉痛、関節痛、過緊張をほぐしてくれるのがクンゼアオイルである。

 

学名
 

 Kunzea ambigua

 

異名

オーストラリアンクンゼア、ティックブッシュ、タスマニアンスプリングフラワー
 


植生と原産地


クンゼアは森林に生えるまっすぐな木で5mまで成長しますが、それより小さいものが多く見られます。小さな白い花が咲きます。この木はタスマニア島の北東部とオーストラリアの南東部に見られます。グーバによると、プランテーションのような環境で維持されているクンゼアの自然林、つまり野生のものが収穫されているということです。1


クンゼアはブラシノキやレプトスペルマム属の植物の近縁種です。オーストラリアの全ての州に見られ、約40種の存在が確認されています。ニュージーランドには1種が確認されています。2 
 


抽出方法


植物の地上に出ている部分を水蒸気蒸留して抽出します。

 

特徴


透明で流動性の高いオイルで、フレッシュで少しスパイシーな心地よい香りです。3 オーストラリアの森の活力を思わせる、爽やかな香りです。4



伝統的使用法


ウェッブの著作に、初期の開拓民や猟師たちはクンゼアの木の下で眠る野生動物を見て、マダニやダニなどに寄生されているにちがいないと考え、「ティック・ブッシュ(マダニの木)」という名前をつけたという逸話が紹介されています。実際は、野生動物がダニなどを取り払うためにこの木に身体をこすりつけたり、この木の下に眠ったり横たわったりしていたのだろうというのがウェッブの見解です。3

 

化学組成
 

パーフェクトポーションのクンゼアエッセンシャルオイルの主な化学成分は次のとおりです。

α-ピネン(39.94%)、リモネン(1.11%)、1,8-シネオール(13.80%)、トランス-β-オシメン(1.86%)、リナロール(1.23%)、α-テルピネン-4-オール(0.56%)、α-テルピネオール(1.6%)、シトロネロール(1.15%)、ビリジフロレン+ビシクロゲルマクレン(5.29%)、トランス-カラメネン(1.79%)、レドール(0.5%)、スパツレノール(0.37%)、グロブロール(1.86%)、ビリディフロロール(13.83%)、5-エピ-7-α-オイデスモール(1.7%)。



クンゼアには珍しいセスキテルペン分子がいくつか含まれているのですが、これらの成分がクンゼアオイルの優れた抗炎症作用と鎮痛作用に寄与すると言われています。



クンゼアオイルが合計64種類の化合物を含むことを示す分析結果もあります。クンゼアオイルはα-ピネン(48.3%)、1,8-シネオール(14.5%)、α-テルピネオール(1.9%)など、モノテルペン類を70%含んでいました。また、複数のクンゼアオイルのサンプルの化学組成を調べてみると、その内訳はかなり異なっていることがわかりました。例えば、α-ピネン(0.6〜62.5%)、1,8-シネオール(0〜14%)、スパツレノール(0.5〜12.2%)、グロブロール(0.5〜22.6%)、ビリディフロロール(0.3〜38%)といった具合です。5    



このように化学成分の割合にばらつきがあるため、クンゼアオイルの薬理学的作用の程度についても、いくらかばらつきが生じることが推測されます。



薬理学・臨床研究


抗炎症活性


クンゼアオイルを皮膚に塗布したところ、乾癬に対し、抗炎症作用が見られたと報告されています。6


抗真菌活性


クンゼアオイルが爪甲真菌症という皮膚糸状菌、酵母菌、カビなどによって引き起こされる爪の真菌感染症の治療に対し効果を発揮するかどうか調べる研究が行われました。実験では、アモロルフィンという市販薬とクンゼアの効果が比較されました。結果、クンゼアオイルは市販薬と同程度の効果を持つことがわかりました。7


抗微生物活性


トーマスによると、クンゼアオイルは有用な抗微生物活性を発揮することがin vitroの実験で判明したということです。しかし、クンゼアが果たしてどの程度の抗微生物作用を持つのかはさらに実験を重ねないことにはわからないということです。8


殺虫活性           

クンゼアオイルの殺虫作用をシトロネラオイルと比較して評価する実験が行われました。その結果、シトロネラと同等の殺虫作用があることが確認されました。しかし、どちらのエッセンシャルオイルもディート(DEET)と比較すると虫除け効果が著しく低く、蚊が媒介する疾患が蔓延している地域では使用すべきでないということです。9


こういった研究論文はありますが、パーフェクトポーションで行ったラボ(実験室)試験とフィールド(屋外)試験では、シトロネラをベースにした虫除け剤が抜群の蚊除け効果を示したことをお伝えしておきたいと思います。


クンゼアオイルを5%または100%の濃度で使用した場合のアタマジラミに対する殺虫作用をin vitroで調べる実験が行われました。5%溶液、100%溶液のどちらも120分以内に100%の殺虫率を達成しました。クンゼアオイルは市販のシラミ駆除製剤の有効成分として使用されている化学成分の代わりに使用できる有効な成分である可能性があるということです。10



用途


クンゼアオイルは関節炎・筋肉痛の一時的軽減、インフルエンザの症状の一時的緩和にお勧めです。また、過緊張やストレス、軽度の不安感を和らげます。3


ウェッブは著作でアトピー性皮膚炎、皮膚炎、発疹、足の感染症に効果があったという経験談を紹介しています。3


虫刺されによる痛み、軽度のやけど、再発性の帯状疱疹、頭痛に効用があることが判明しています。関節炎、筋肉痛、軟部組織損傷(傷)のケアにとてもよいと言われています。4


アロマティック・キネシオロジストのロビー・ゼックによると、クンゼアは痛みを次の段階に持っていきたいときに最高のオイルだということです。ゼックもクンゼアオイルが筋肉痛、関節痛、過緊張をほぐしてくれると述べています。11


ウェッブは、クンゼアオイルを養護施設の室内用芳香剤として使うことを勧めています。また、虫刺され箇所に原液を少し塗ると、即効性のある痛み止めになると述べています。4

 

作用


抗炎症、鎮痛、抗関節炎、消毒、抗微生物、リラックス。1,3,4



サトルアロマセラピー


ゼックはクンゼアが、押し殺すことによって心の奥深くに潜り込んでしまった心の痛みを和らげる助けをすると主張しています。クンゼアは肉体的・精神的な痛みを解きほぐし、事故直後のショックを逃がす助けをしてくれるそうです。11



エネルギー


クンゼアオイルのエネルギーは涼性です。熱を持っていて、炎症が起きている症状の対処によいと言われています。



使い方


アロマバス


お風呂で全身浴するためには、お湯に最大5滴まで入れてください。足湯や手浴の場合は適当な大きさの容器に入れたお湯に2〜3滴入れてください。
 

マッサージ


適切にブレンドしたエッセンシャルオイルをキャリアオイルに2.5%の割合で希釈します。キャリアオイルが10mlの場合、エッセンシャルオイルを5滴入れると2.5%の濃度になります。
 

吸入


エッセンシャルオイルを吸入するのに最もよい方法はディフューザーを使うことです。超音波ディフューザーを使う際は説明書どおりに使用するようにしてください。

 

ブレンディングのコツ

 

相性のよいオイルは、ユーカリプタス、フラゴニア、レモンアイアンバーク、ティーツリー、オーストラリアンサンダルウッドのオーストラリア原産のエッセンシャルオイルです。


ベルガモット、レモン、ライム、グレープフルーツ、スイートオレンジなどの柑橘系のオイルとブレンドすると気分を盛り立てる、爽やかなブレンドが出来上がります。筋肉痛を一時的に緩和するには、ユーカリプタス、ラベンダー、レモングラス、ブラックペッパー、ジンジャー、ローズマリー、ペパーミントなどとブレンドするとよいでしょう。敏感肌や炎症を起こしている肌にはジャーマンカモミール、エバーラスティング、ネロリ、サンダルウッドなどのエッセンシャルオイルとブレンドするとよいでしょう。



クンゼアを使ったパーフェクトポーションの定番商品


クンゼアはこれからもっとたくさんのパーフェクトポーションのブレンドに取り入れていきたいオイルです。9月1日新発売のアクティブスプレーの主役はクンゼアオイルです。クンゼアを中心としたエッセンシャルオイルのブレンドをアルコールベースに合わせているので、筋肉に疲労や痛みがあるときに吹きかけるとよいでしょう。


クンゼアはフラゴニア、ユーカリプタス、ティーツリー、レモンマートル、レモンアイアンバーク、ペパーミントユーカリプタスとともにオーストラリアのブッシュを思わせる、気分が高揚し、元気になる香りのグレートアウトドアエッセンシャルオイルブレンドに使用されています。


クンゼアはデザートドリーミングエッセンシャルオイルブレンドの重要な原料の一つで、クラリセージ、フラゴニア、オーストラリアンサンダルウッド、ローマンカモミールとブレンドされ、オーストラリアの砂漠の幻想的な雰囲気を醸し出しています。



安全性


毒性、刺激性はありませんが、軽度の感作反応を引き起こすことがあります。敏感肌の人はまず、パッチテストをしてから使用するようにしてください。1



 

参考文献


1. Guba R. Kunzea essential oil, Essential News Vol.19 October 2006.

2. http://anspa.org.au/k-amb.html  (Australian Native Plant Society Website)

3. Webb M. Bush Sense. Self-published, Australia, 2000.

       ウェブ, M. 加藤有香(訳)古川令子(監)『オーストラリアの芳香植物とアロマセラピー』フレグランスジャーナル社, 2009年.

4. Webb M. Australian Essential Oil Profile – Kunzea. Aromatherapy Today, Vol 21 March 2002.

5. Thomas J et al. An examination of the essential oils of Tasmania Kunzea ambigua, other Kunzea spp. and commercial kunzea oil. Journal of Essential Oil Research 2010; 22:5.  http:/dx/doi.org/10.1080110412905.201.9700351

6. Thomas J. et al. An evaluation of the clinical efficacy of kunzea oil formulations in the therapeutic management of psoriasis in adults. Proceedings of the APSA Annual Conference, Hobart, 2009.

7. Jacobson G. Clinical trial of kunzea for onychomycoses treatment – commercial potential. In Essential Oil and Plant Extracts, Rural Industries Research and Development Corporation completed projects in 2009-2009, RIRDC Publication no 09/098, September 2009.

8. Thomas J. Kunzea Oil: Investigation of composition, bioactivity and therapeutic potential. PhD thesis, University of Tasmania. 2012.

9. Thomas J. et al. Evaluation of repellent properties of volatile extracts from Australian native plant Kunzea ambigua against Aedes aegypti (Diptera: culcidae). Journal of Medical Entomology 46(6):1387-1391. DOI 10.16031033.046.0619

10. Williams CR. et al. Can kunzea oil (Kunzea ambigua) control head lice (Pediculus humanus capitis)? Parasitology Open, 2016; 2(3):1-5. Cambridge University Press. http://dx.doi.org/10.1017/pao.2015.

11. Zeck R. The Blossoming Heart – aromatherapy for healing and transformation. Aroma Tours. Australia, 2004.

12. Image: ‘Kunzea ambigua flower’ by John Tann available at www.flickr.com/photos/31031835@N08/5 under a Creative Commons Attribution 2.0.





上記は、学習用にアロマの学術的な概要を示しています。簡易版資料をダウンロードされたい場合は下記をクリックしてください。

 

ダウンロードした文書は個人の学習のみに使用していただき、その他の目的での利用、二次利用、複製等はしないようにお願い致します。

 

 


© Salvatore Battaglia 2017