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レモン

 レモンの元気が出るような香りは、気分を盛り上げてくれますね。レモンオイルの香りを吸い込んだときの気分を、ワーウッドがうまく表現しているので紹介しましょう。
レモンの香りは、夏の日の新鮮な空気のように、気分をポジティブにしてくれる。
 

学名

 Citrus x limon (L.)
 

異名

 圧搾レモンオイル
 

科名

 ミカン科

 

植生と原産地


 レモンは果皮が滑らかなものと、ごつごつしたものの2種類に分かれます。植物分類学者の中には、この2つを違う種に区別する者もいて、なめらかな果皮のものがC. limonで、ごつごつしたのが一般的にラフレモンと呼ばれるC. jambhiri Hodg.としています。また、ラフレモンは、ライムとシトロンの掛け合わせだという見方もあります。1
 レモンの木は中国南東部が原産地だと言われています。レモンはペルシャと中東を経由し、12世紀、十字軍の帰還とともにヨーロッパにもたらされたと言われています。1一方でホームズはレモンの木は10世紀のアル・アンダルス時代にムーア人によってシチリア島とスペインにもたらされたと主張しています。2
 コロンブスは1493年の二度目の西インド諸島への航海の際、レモンとオレンジの種を持ち込みました。コロンブスは20世紀には世界最大規模となるレモン産業のきっかけを作ったことを知る由もなかったでしょう。3
 レモンの木は年中果実をつけます。果実は初め濃い緑色でその後、熟して明るい黄色になります。レモンオイルのほとんどがカリフォルニア、フロリダ、南ヨーロッパで生産されています。4
 今では、レモンオイルの主な生産地はイタリア、スペイン、イスラエル、アルゼンチン、アメリカです。1
 

抽出方法

 レモンオイルは果皮を低温圧搾して採取します。ラフレモンは、種を取る以外に商業的価値はないとワイスは述べています。なめらかな皮のレモンの果皮にはエッセンシャルオイルが約2.2%含まれています。ただ、低温圧搾で抽出すると、このうちの66〜75%しか抽出できません。1
 水蒸気蒸留法で抽出した方が収量は多くなりますが、蒸留されたレモンオイルは異なる性質を持ち、品質が劣ると言われています。1
 

特徴

 黄色から緑がかった黄色または薄黄色で流動性の高い液体です。香りはとても軽く、爽やかで甘く、熟した果皮そのものです。
 テレビンを思わせるようなきついテルペン系のノートがあってはいけません。アークタンダーは、レモンオイルは香りが長持ちしないとする一方で、よいレモンオイルならば、検香紙に垂らした後も、新鮮なレモンの香りを保ち、香りがなくなるまで香りに変化はないはずだとしています。4
 

偽和

 圧搾レモンオイルは、蒸留レモンオイル、レモンオイルに含まれるテルペン類、d-リモネン(天然物から単離されたものかピネンから合成されたもの)、合成または単離されたシトラールなどを使って偽和されることがよくあります。4
 

伝統的使用法

 レモン汁は壊血病の治療薬とされていました。イギリスの船は、10日以上の航海に出る場合、船乗り全員が1日1回摂取するのに十分な量のレモン汁かライム汁を保有することが法律で義務付けられていました。5
 レモン汁は発汗剤、利尿剤として使われてきました。急性のリウマチにとても効用があり、麻薬を中和するのに使われることもありました。レモン汁は収れん作用があり、しつこいしゃっくりに効き目があり、黄疸やヒステリー性の動悸に役立ちます。5
 

その他の使用法

 レモンオイルは医薬品の風味付けに幅広く用いられ、せっけん、洗剤、香水の香料原料として用いられています。6
 

化学組成

 圧搾レモンオイルは主にリモネン(最大70%)というモノテルペン炭化水素から構成されています。レモンオイルの一般的な化学組成は次のとおりです。
 α-ピネン(1.8〜3.6%)、カンフェン(0〜0.1%)、β-ピネン(6.1〜15.0%)、サビネン(1.5〜4.6%)、ミルセン(1.0〜2.1%)、α-テルピネン(0〜0.5%)、リナロール(0〜0.9%)、β-ビサボレン(0.56%)、リモネン( 62.1〜74.5%)、トランス-α-ベルガモテン(0.37%)、ネロール(0.04%)、ネラール(0.76%)。7
 

作用

 抗微生物、抗リウマチ、消毒、鎮痙、収れん、殺菌、駆風、浄化、発汗、利尿、解熱、止血、血圧降下、引赤、強壮。8,9
 

薬理学と臨床研究

 

アルツハイマー病

 日本で行われた臨床試験で、アルツハイマー病に対するアロマセラピーの効果が考察されました。研究者たちは、28人の高齢者(そのうち17人はアルツハイマー病患者)に対して、朝はローズマリーとレモンのエッセンシャルオイルを、夕方にはラベンダーとオレンジのオイルを使用しました。その結果、認知症の程度を診断するための評価法の下、全ての被験者において、認知機能に関連する見当識に有意の改善が見られたということです。10
 

抗真菌作用

 レモンオイルは、カンジダ・アルビカンスに対し、in vitroで高い抗真菌作用を示しました。11
 

抗微生物作用

 レモンオイルには抗微生物作用が見られます。12
 

空気浄化作用

 研究によると、レモンオイルを蒸散させると、20分間で空気中の微生物の40%が死滅し、3時間で、90%が死滅するということです。13
 

認知機能の向上

 香りが認知機能に及ぼす影響を測定する臨床試験によると、レモンオイルはヒトの予期プロセスを活性化することがわかりました。この効果は香りの濃度が濃くなるにつれ、増幅されるということです。研究者たちは、被験者が特定の香りを好む場合、その香りからより強く影響を受けることも指摘しています。14
 

抗発ガン性

 d-リモネンの役割についてまとめたレビュー論文によると、d-リモネンはさまざまな種類のガンに対し、化学発ガン抑制作用を持つことで定評があるということです。ある第義衫彎音邯海砲茲襪函1人の乳ガン患者に対し、いくらかよい反応が見られ、また3人の大腸ガン患者において、半年ほど病状の安定が見られたということです。著者はd-リモネンが発ガン性物質を毒性の低い形に代謝し、DNAと発ガン性物質の相互作用が起きるのを防ぐ発ガン性物質代謝酵素群(シトクロムP450)を誘発すると述べています。15
 シュナウベルトによると、リモネンは肝臓の第義蟆鯑嚢攸任鰺淦する一方、第響蠅旅攸任鰺業するということです。これはつまり、第義蟆鯑任硫當で生じうる潜在的毒性物質、発ガン性物質の生成の速度を遅くしておいて、スピードアップした第響蠅蚤┷造砲修譴蕕諒質を除去することができるということを意味します。16
 シュナウベルトはまた、潜在的発ガン性物質はリモネンが存在していると体内に長居できないとしています。リモネンはHMG-CoAレダクターゼを抑制することにより、腫瘍細胞の増殖を選択的に抑制することができるのです。そのため、リモネンを豊富に含むオレンジやレモンといった柑橘系のフルーツやエッセンシャルオイルを摂取した方がよいのです。16
 

抗不安作用

 レモン、ラベンダー、ローズオイルの抗不安作用を調べるために、マウスを使った高架式十字迷路法試験、強制水泳試験、オープンフィールドテストが行われました。レモンオイルはこれら3つ全ての試験において強力な抗ストレス効果を発揮しました。どのような薬理学的メカニズムに基づいたのか調査した結果、レモンオイルが海馬におけるドーパミンと、前頭前皮質、大脳基底核の線条体におけるセロトニンの代謝回転を大幅に上昇させることがわかりました。研究者たちは研究の結果、レモンオイルは活性化したセロトニン神経系のニューロンと関係したドーパミンの活動抑制を通じて、抗不安剤、抗うつ剤と似た作用を持つことが言えると述べています。17
 

抗うつ作用

 これまでの研究により、柑橘系のエッセンシャルオイルの香りはストレスによって誘発された免疫抑制を回復できることがわかっていました。神経内分泌および免疫機能の調節不全が心因性の疾患や精神疾患に関係していることはよく知られたことです。ある研究で、研究者たちはレモン、オレンジ、ベルガモットのエッセンシャルオイルとシス-4-ヘキサノール(草のようなグリーン系の香りの合成香料)を混ぜて香料を作りました。うつ病で入院し、抗うつ剤を服用している20人の男性患者が2つのグループに分けられ、1つのグループは抗うつ剤のみが与えられ、もう一つのグループはうつ病寛解までの間(4〜11週間)、毎週、段階的に抗うつ剤の投与量を減らしつつ、柑橘系の香りのブレンドを吸入させられました。ハミルトンうつ病評価尺度とうつ性自己評価尺度を使って、被験者の精神状態が測定されました。どちらのグループもスコアが上がりました。11週間後には、柑橘系の香りを吸入したグループでは12のうち9人が抗うつ剤を全く飲まなくてもよくなり、残りの3人は抗うつ剤の量を50〜75%減らすことができました。他方で、抗うつ剤だけを投与されたグループはうつ病寛解の時期が来ても、通常の量の抗うつ剤を必要としていました。香り吸入グループでは、香りを吸入した後、尿中のコルチゾールとドーパミンの値が大幅に下がりました。また、香り吸入グループでは、抗うつ剤のみのグループと比べ、ナチュラルキラー細胞の活動がずっと活発であったこともわかりました。
 研究者たちは、この研究が小規模であったため、結果の解釈については慎重を期すべきだとしながらも、柑橘系の香りを使った治療はうつ病患者に対し精神神経免疫学的な効果を発揮する可能性があるとしています。18
 

胆石溶解

 d-リモネンはin vitroで胆石を2時間以内に溶かしました。また、胆石摘出手術を受けた患者に対し、20mL のd-リモネンの点滴を1日おきにした結果、手術で取り切れなかった胆石を溶解することができました。患者の中には、たった3回の点滴で胆石が溶解した人もいました。15
 

胃を保護する作用

 レモンオイル、d-リモネン、β-ピネンが持つ胃を保護する作用のメカニズムを調べた研究の中で、ヘリコバクター・ピロリの最小発育阻止濃度(MIC)が測定され、レモンオイルとd-リモネンに非常に高い胃保護作用が見られました。胃を保護する作用には、プロスタグランジンE2が関係している可能性があるということです。19
 軽度/中程度から重度の胸焼けに悩む患者13人が参加した無作為プラセボ比較二重盲検臨床試験において、片方のグループはリモネンを、もう片方のグループはプラセボを投与されました。リモネングループは1,000mgのd-リモネンのカプセルを1日に1回与えられ、プラセボグループは大豆油の入ったそっくりな見かけのカプセルを与えられました。14日目には、d-リモネンを投与された被験者の86%に胸焼けの症状が完全になくなった一方、プラセボグループでは29%に留まりました。15
 d-リモネンは不定期に生じる胸焼けや胃食道逆流の緩和に対し、効果があることがわかっています。胃壁に膜を張って、粘膜が胃酸にさらされないようにすることにより、胃酸の中和をはかっている可能性があることを示すin vitroの研究があります。15
 

神経保護作用

 レモンオイルが熱ショックによりアポトーシスに陥ったヒトとマウスのアストロサイトにどんな影響を与えるかin vitroで実験した研究が行われました。あらかじめレモンオイルで処理を施したアストロサイトは、熱ショックによるアポトーシスが抑制されるという結果が出ました。レモンオイルは、熱ショックによるDNA 断片化(アポトーシスの特徴)、核(クロマチン)の凝縮、カスパーゼ-3の活性化、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の切断を阻害することができました。レモンオイルは、カスパーゼ-3の活性化を防ぐことにより、PARP の切断を阻害し、アポトーシスを制御できるのではないかと言われています。レモンオイルには脳の神経を保護する作用があるのではないかと考えられています。20

 

用途

 

循環器系

 循環器系の強壮剤として素晴らしい効果を発揮します。血液のドロドロを減らし、動脈中の血小板の塊を分解し、コレステロールを減少させます。21,22,23,24レモンオイルは循環器系に強壮効果を発揮し、静脈瘤、毛細血管拡張症、痔、鼻血に使用できます。23,24
 フィッシャー・リチィは静脈瘤には、レモンオイルとサイプレスオイルを1:1の割合でまぜたものをローションや湿布の形で皮膚に塗布するとよいと述べています。21

 

解毒

 穏やかな解毒剤として使用することができ、毒血症、セルライトの治療に非常に役立ちます。9
 シュナウベルトはレモンオイルを他のエッセンシャルオイルとブレンドして使用すると肝臓の再生や解毒をサポートすることができると述べています。そのため、シュナウベルトはリモネンを豊富に含むオレンジやレモンといった柑橘系のフルーツやエッセンシャルオイルを摂取することを勧めているのです。16

 

免疫系

 レモンオイルは優れた免疫賦活作用を持つと言われています。21

 

心理面

 レモンオイルは頭をすっきりさせ、精神を刺激しすぎることなく、決断のプロセスを助けてくれると言われています。実際、心が張り詰めている人にとっては非常に落ち着く香りになりえます。
 ワーウッドはレモンオイルを「理性のオイル」とし、嵐のように荒れた感情の爆発を落ち着かせたり、そもそも感情の爆発が起きないように助けてくれるオイルとして勧めています。25
 ホームズはレモンオイルを集中力の欠如を伴う精神的疲労のケアに勧めています。朝起きて元気が出ないときによいと述べています。ネガティブ思考、悲観主義、うつ状態を払いのけるのにもよいということです。ホームズの考える、レモンオイルが心理に及ぼす影響がうまくまとまっているのが次の文章です。
レモンオイルはルーティン、マンネリ化、想像力に乏しいパターン化した思考にはまってしまったとき、そこから抜けだすのに大いに役立つ。心に光と明晰さを与え、頭の中の暗くてネガティブで気が滅入るような思考というじめじめとした吹き溜まりのようなものを小さくするのに役立つ。2

 

呼吸器系

 レモンオイルの強力な抗ウィルス作用は、風邪、インフルエンザ、とくに黄色か緑色の鼻水が出る場合、症状の緩和に役立ちます。24

 

スキンケア

 収れん作用があり、皮脂の過剰生産を調整し、10代の肌トラブルにとくに役立ちます。加齢肌にハリを与え、抗菌作用があるのでニキビやおできの治療に適しています。9,23いぼ、うおのめの治療によいと言われています。その際は、レモンオイルを原液のまま塗布するとよいでしょう。23

 

強壮作用

 ホームズはレモンオイルが全身用の強壮剤だと述べています。2
  • 神経系の強壮剤—精神的疲労、消耗に
  • 肝臓の強壮剤—肝臓の解毒作用をサポート
  • 膵臓の強壮剤—高血糖症と糖尿病の症状管理に
 

パーソナリティ

 レモンタイプは光輝き、生き生きとし、とてもポジティブで、自分がすることに揺るぎない自信を持っています。レモンは新鮮な空気のようで、そばにいるとポジティブな雰囲気になるのでありがたい存在です。生きていく上での葛藤や困難があってもくよくよせず、何でも落ち着いて対処します。25
 ワーウッドに言わせると、自分のすることすべてに揺るぎない自信を持っているというレモンタイプですが、この自分を疑わない態度は周りの人に影響を与え、とくに何かを始めたり、やり遂げたりすることが苦手なタイプにとってはよい刺激になります。25
 ワーウッドはレモンタイプが優しそうに見えて、実はとても批判的なところがあり、どうして他人が自分のように上手くできないのか、理解できないことがあります。仕事中毒になりやすいタイプで、自分のペースで動けるので自分で起業した方が力を発揮出来るということです。25
 マイヤーズ・ブリッグスのパーソナリティ論で言うと、レモンはENTJ型(陸軍元帥)だと思います。ENTJはダイナミック、エネルギッシュ、自信があり、有能です。気づくと自分がリーダーシップを発揮できるところにいます。対立を楽しみ、頭を使った交流にいそしむのが好きです。自分に挑戦を投げかけてくれるような相手を好み、尊重しますが、挑戦してこない人には関心がありません。競争心旺盛、モチベーションが高く、仕事中毒の人が多いです。決断できる立場であることを好みます。ストレスがたまると、急にキレたり、自分や他人を批判したりします。情熱と熱意をもって人生を歩みます。

 

サトルアロマセラピー

 フィッシャー・リチィによると、レモンはバイブレーションが高いので精神を高揚させたり、精神的疲労から立ち直らせたりするということです。21ワーウッドはレモンが瞑想 を深めるのを助け、魂の浄化をするオイルだと言っています。心全体が、人間の愛とともに神の愛に対してポジティブに反応できるようにしてくれるということです。26
 モージェイはレモンオイルがローズオイルと似ていると言っています。レモンオイルは信頼と安心感を促すということです。彼はレモンオイルが感情的になること、他人に夢中になるあまりに自分を見失うことへの恐怖を取り除くことにより、心を開く助けをしてくれると言います。24
 ゼックはレモンオイルが脳のための香りのスパのようなものだと述べています。
頭が混乱して、自分には手に負えないと思うとき、レモンオイルの心を引き締め、元気づける効果によって、感覚が研ぎ澄まされ、頭がすっきりし、合理的思考ができるようになるだろう。
混乱すると、わけのわからない感情の爆発を起こしてしまうことがあるが、そういった態度は周りの人には歓迎されないし、許されない場合もある。混乱を切り抜ける助けをしてくれるレモンの香りは脳のための、香りがよく、気持ちよいスパのようだ。27
 ゼックはレモンオイルが合理的思考、論理的思考、知的探究心を促すとも述べています。27

 

エネルギー

 レモンオイルの性質は涼・燥で熱邪、湿邪を清め、痰を除くのによいとされています。そのため、このオイルは解毒剤として優れているとみなされています。24
 モージェイは、レモンオイルが膵臓を刺激し、精神的な行き詰まりを解消するため、主に「土」の要素に働きかけると説明しています。24しかし、私自身は、強肝作用の強さから見て、「木」の要素との親和性が強いのではないかと考えています。
 よって、五行説の観点から見ると、レモンオイルは「木」の要素を強壮し、「土」の要素に関連する過剰な湿邪を取り除く助けをすると言えます。アーユルヴェーダにおいては、レモンオイルはヴァータとピッタを強壮し、カパを減らす助けをします。


 

使い方


アロマバス
 お風呂で全身浴するためには、お湯に最大5滴まで入れてください。足湯や手浴の場合は適当な大きさの容器に入れたお湯に2〜3滴入れてください。


マッサージ
 適切にブレンドしたエッセンシャルオイルをキャリアオイルに2.5%の割合で希釈します。キャリアオイルが10mlの場合、エッセンシャルオイルを5滴入れると2.5%の濃度になります。


吸入
 エッセンシャルオイルを吸入するのに最もよい方法はディフューザーを使うことです。超音波ディフューザーを使う際は説明書どおりに使用するようにしてください。


内服
 シュナウベルトは、体内に毒が溜まるのを予防して、健康を維持したい人に向けて、次のような方法を紹介しています。
方法はとても簡単である。レモンオイルなどのエッセンシャルオイルを内服し、身体の解毒プロセスを誘発したり、修正したりすればいいのである。16
 シュナウベルトは、コップ1杯の水に1滴のエッセンシャルオイルを入れて飲用することを勧めています。16
 私は一つ厳格なルールを付け加えたいと思います。飲用するエッセンシャルオイルは有機認証を受けているものでなければなりません。


ブレンディングのコツ



 レモンオイルはさわやかで甘くフルーティな香りを出すために香水作りに幅広く用いられています。アークタンダーは昔風の柑橘系のコロンの原料として最も重要なものであり、多くの香水のトップノートに使われていると述べています。4
 レモンはどんなアロマセラピーのブレンドにもさわやかなトップノートをもたらします。レモンオイルはたくさん加えても、ブレンドの香り全体に強烈なインパクトを与えないオイルです。
 デトックスブレンドを作るなら、レモンオイルは必須です。ジュニパーベリー、スイートオレンジ、グレープフルーツ、エバーラスティング、ローズマリーといったエッセンシャルオイルは、レモンオイルと合わせてデトックス用のブレンドを作るのに適しています。

 私は、レモンオイルを、頭をすっきりさせ、疲れやぐったりした感覚を取り除くためのブレンドに入れるのも大好きです。レモンオイルはバジル、ローズマリー、ブラックペッパー、ペパーミントなどのエッセンシャルオイルと相性がよいです。私はレモンをスパイス系のオイルと合わせるのも大好きです。レモンの元気になる香りはジンジャー、ブラックペッパー、クローブバッド、シナモンバークといったスパイシーで温かみがある香りによく合い、癖のある香りを和らげてくれます。このような組み合わせのブレンドは、エネルギーと温かみを与えるので、疲労や筋肉痛の緩和によいでしょう。
 また、ほかにレモンを使った重要なアロマセラピーブレンドとしては、抗微生物ブレンドが挙げられます。レモンをティーツリー、ユーカリプタス、ラベンダーと組み合わせるととても消毒作用と抗微生物作用の強いブレンドが出来上がります。


 

レモンを使ったパーフェクトポーションの定番商品



 レモンオイルは、リフレッシュフォーカスなどの元気が出るエッセンシャルオイルブレンドの中心的な存在です。レモンの抗微生物作用がユーカリプタスやティーツリーとシナジーを発揮しているのがブリーズイージーオイルで、部屋の空気の浄化に役立つブリージングスペース ルームスプレーにも使われています。

 レモンオイルは過剰なカパを整える作用があるので、カパブレンドに欠かせない存在です。

 レモンはエムゴッデスブレンドシリーズ(日本では9月1日限定発売)のデメテルヘカテーに爽快感と活力を与えるために加えられています。

 レモンをサイプレスとペパーミントとブレンドしたものを使用したクーリングフット&レッグローションは疲れて痛む足をいたわり、静脈に元気を与えてくれます。

 長時間のフライトで疲れたときは、レモン、ゼラニウム、ペパーミントがブレンドされた、ジェットセッターアロマティックミストを全身に吹きかけると、頭がすっきりし、爽やかな気分になれるでしょう。レモンをペパーミントとブレンドすると、ペパーミントの涼感作用が促進されるのを活かしたのが、クールミントアロマティックミストです。

 レモンはソーラープレクサスチャクラと強い親和性があるので、ハーモニーチャクラブレンドに使われています。レモンは力と自信を与えてくれるオイルです。チャクラバランシングシリーズにレモンが使われているのはそのためです。

 ティーツリー、ラベンダーにレモンを合わせたのがアロマハンドジェルですが、世界一ナチュラルで効果の高い手の消毒ジェルだと思います!
 レモンが主役のソルパフュームは、はじけるような柑橘の香りでいっぱいです。

 

安全性



 私は『アロマセラピー完全ガイド』において、レモンオイルには毒性・刺激性がないと書きました。しかし、感作反応が起こる場合もあります。光毒性があるため、日光に当たる前に使用してはいけません。8,9,21,23,24,28
 ティスランドはレモンオイルが酸化すると、感作を引き起こすと述べています。ティスランドは、レモンオイルの使用は皮膚に塗布する商品に関しては最大2%に限るという、国際香粧品香料協会(IFRA)による基準を勧めています。せっけんなど洗い落とせる製品に関してはこの限りではないということです28
 IFRAの基準以上の濃度で肌に直接塗布する場合は、塗布後12〜18時間は外に出て日光を浴びることがないようにすべきだということです。28
 シュナウベルトは、レモンオイルについては有機認証された、無農薬の果実から抽出したものだけを使用することを勧めています。従来型の大規模農業で栽培されているレモンはたいていの場合、大量の農薬を散布されているからだということです。16 
 私も彼の意見に賛成です!

 

参考文献

 

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*旧版の翻訳物



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